Alternative991's Blog

アニメで気になった描写の忘れ形見

仙台市青年文化センターのホール改修工事

仙台フィルの拠点でもある仙台市青年文化センター
これまでそのコンサートホールステージ最後部には通称「バルコニー」と呼ばれる階段が設置されていましたが、今年7〜9月の改修工事に併せて撤去されたようです。
 

どのような経緯で撤去が決まったのかは知りませんが、ステージを狭くし、ただでさえ音響的に飽和しがちなホールの奥行きを失わせていた階段の撤去は一聴衆にとってはありがたいことです。
普段は滅多に使われることがありませんでしたし、これで大編成を組む際にステージ上ですし詰め状態となっていた楽団の方も伸び伸びと演奏に集中できるようになるといいですね。
 


左が改修前 右が改修後のイメージCG
仙台市市民文化事業http://www.bunka.city.sendai.jp/seinenbunka/
 


階段が撤去されたほか壁面に反響版が取り付けられ、床も張り替えられるなど見た目にもガラリと変わった印象。

改修後はじめて聴きに行ったコンサートは11月23日(金)に行われた仙台市民交響楽団の第67回定期演奏会。曲目はショスタコーヴィチ交響曲第9番ラフマニノフ交響曲第2番で指揮は松井慶太氏。
私は中央列後方に座りましたが、この日は祝日のせいもあってか座席は前列に多少空きがあるくらいでほぼ満席でした。

さて、気になる音響について述べると、これは明らかに以前とは異なる響きだといえます。残響が減った分以前はくぐもっていた音色が明細となり、打楽器類も管楽器に埋もれることなくより立体的な響きを発していたと思います。
前まではトゥッティや強打の際には残響が飽和し、音塊がこれでもかというほど聴衆の耳に叩きつけられ余韻に浸るということがあまり出来なかったのでこの変化には驚きでした(笑
 

もともと以前の階段付きホールでは大編成の交響曲などには向かないものの、逆にバッハやモーツァルトなどの小編成や室内楽曲の響きは非常に綺麗だったんですよね。今回の演奏ではその美しさがラフマニノフ交響曲2番のような比較的大きめの編成でもところどころで改善しているように感じられたのが良かったです。
改修後の演奏はまだ一度しか聴いていないこともあり、語彙の乏しい私ではこれ以上詳しく書くことはできませんが、今回の改修工事は今後のコンサートを一層楽しみにしてくれるものになったと思います(800席という小さめのホールなので当然限界はありますが…
 

最後に、こうした音の変化は特に楽団員の方たちは慣れるまで大変でしょうが、これを機に仙台フィルのCD録音なんかがもっと増えてくれると個人的には嬉しいですね。
少なくとも従来のように“ホール特有の残響が〜”などと演奏とはあまり関係のない部分で苦言を呈されてしまう度合いは減るのではないでしょうか(笑
 

追記:施工した会社のサイトにも工事の概要が載っていたので貼っておきます。サン工業株式会社 http://blog.sunkogyo.com/?eid=36