うるし原智志の瞬き描写 ~ 『レーカン!』OPと『プラスチックリトル』 ~
特徴的な描写
アニメ『レーカン!』(2015年)OPに艶があっていいなと思っていたら、EDクレジットにうるし原智志さんの名前があって驚いた。
うるし原さんといえば僕にとっては伝説的なおっぱい描写で名高い『プラスチックリトル』(1994年)の存在が大きいのだけど、『レーカン!』でも髪の毛や瞬きといった描写にらしさがあったと思う。
天海夕陽(母親)
天海響とイリーズ・アルト・モーディッシュ
往年の氏らしい濃いめの上まつ毛や瞳の描き込み。つんと尖った鼻先や、バナナの房みたいにもふもふした前髪と風を受けて散っているニラみたいな毛束。
確固とした瞬き描写
氏の話題はどうしてもおっぱいやたわしといった表現に傾きがちだけど、個人的には「瞬き」という単純な動作においてもずば抜けていると思う。少なくても『プラスチックリトル』に出会う前までは瞬きひとつがこんなにも色っぽく、頭に衝撃と胸に高鳴りをもたらしてくれるものだとは知らなかった。
目を開けた表情と閉じた表情。顔の輪郭や瞳,まつ毛や上目蓋がそっくりで顔全体から首元に及ぶ陰影の付け方が特徴的。
この寝惚け眼と繊細な表情の移ろいが何か特別な一日の始まりを告げてくれるかのようで、キャラクターが角笛を持った天使に見えてくる魔法が秘められている。
起き上がるまでの原画数は『レーカン!』が約33枚で『プラスチックリトル』が22枚
GIFで見比べてみるとどちらも薄っすらと目を細めた状態から徐々に見開いていって、2度しっかりと瞬きをしてから起き上がる。
『プラスチックリトル』から『レーカン!』までは約20年も経っているにも関わらず、瞬き描写における変わらない一連の所作は原画を起こすにあたって昔から確固としたフェチや理想像があるからだと思う。
『レーカン!』では乳揺れの美学ではなく、瞬きの美学をもって驚きと感嘆をもたらしてくれたうるし原先生。他のアニメでも寝起きのシーンがあるのかは把握できていないけど、こうした描写を目の当たりにして僕は先生への評価をまたひとつ上げることを余儀なくされてしまった。
絵コンテ・演出・制作担当:よしもときんじ
作画監督:りんしん
原画:うるし原智志 岡田豊広 野口孝行 外舘俊秀 田村勝之
渡辺恵理 纐纈旬 工藤大誠 よしもときんじ りんしん
- 出版社/メーカー: SME・ビジュアルワークス
- 発売日: 2000/10/18
- メディア: DVD
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