Alternative991's Blog

アニメで気になった描写の忘れ形見

『ARMS』第17巻の蝶描写

『ARMS』を読んで感激したのが17巻172Pの蝶描写。
描写の舞台は「アリスの世界」で、これはキース・バイオレットが「バロールの魔眼」という光を操る能力でアリスが抱いた理想の世界を再現したもの。
 
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ここで特筆したいのが描かれる蝶がアリスが生まれ育ったアメリカのトラフアゲハという点。
この蝶はアメリカに広く分布し、日本のアゲハチョウと同じように人の生活圏にも多い代表的な蝶であり、バージニア州では州象徴の蝶に定められている。
(参照:ぷてろんワールド トラフアゲハ群
 
他の作品ではアゲハチョウ属はとりあえずアゲハチョウを描いているものが多いなか、きちんと作中舞台を意識した(しかも日本にはいない)蝶を描くのはとても印象的で念入りな資料探しを欠かさない漫画家なのだなと思った。
 
皆川亮二さんの作品は『ARMS』が初めてだったものの、この芸の細かい一コマで僕の中で氏の評価は鰻登りとなったし、『スプリガン』も絶対読んでみよう…そう固く誓わせるほどの力がこの描写には込められていた。