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Alternative991's Blog

アニメで気になった描写の忘れ形見

『ビビッドレッド・オペレーション』には尻叩きが映えるんじゃなイカ?

アニメ 尻叩き

※勢いで書き上げました。申し訳ありません。

作品の基本方針

アニメ『ビビッドレッド・オペレーション』(以下:ビビパン)の方針については、高村和宏監督がインタビューで次のように話しています。

“作品の魅力=キャラクターの魅力だといっても過言ではないと思います。”
電撃G'sマガジン2013年2月号 http://www.vividred.net/special/

“本当は各キャラのお尻に関しても、ひまわりだったらぽっちゃり気味といった違いはあるんですが、そこまで描き分けるのはアニメでは相当難しいんです。なので、描き分けよりもシーンそれぞれでお尻がいかに魅力的に描けているかどうかを優先しています。”
メガミマガジン2013年4月号(Vol.155)

今作に対するキャラと尻に対する方針が窺えますね。ビビパンはストーリーをあえて王道にすることで、作中におけるキャラと尻が占める比重を押し上げた作品であると思います。

尻描写の改善点

素敵な尻描写が多い今作ですが、私が気になったのはフェティッシュである尻が視覚に依拠する外見的・表層的なものとして描かれていることです。
個人的にはこれまでにない濃密な尻描写に膝を打ったものの、同時に近年多くのフェティッシュを描く作品が続くなかただ尻で魅せるだけでは少しばかり物足りなさも覚えてしまいました。
 
 
左・右:『ビビッドレッド・オペレーション』第1話
 
尻描写が「見せるだけ」に終始してしまうとカメラワークも背後からのアップや股間越しカット、ローアングルからアイレベルへのクレーンというように固定化されるため、ビビパンは「尻っていいよね!」と共感を呼ぶことには成功しても、肝心の尻はキャラの身体的記号として隷属させられており、我々が普段から意識している尻以上の価値を見出しづらくなっていると思います。

五感で魅せる


人は各々が有する五感を用いてフェティッシュを多角的かつ複合的に愉しむ生物です。そのためフェティッシュで魅せるには『聖痕のクェイサー』におけるエネルギー補給に授乳(右図第1話)が伴われるように、何らかの行為を付加するのがベターであると思います。
 
作中で唯一行為を伴っているシーンは第6話で四宮ひまわりが一色あかねの水着にある“押すな”と描かれた黄色いボタンを押す場面。
 
  
 
これは心理学でいうカリギュラ効果 ― 昔話や日本神話などにみられる「見るなのタブー」や、ダチョウ倶楽部の「押すなよ! 絶対に押すなよ!」というネタの類型パターン ― であり、尻を押すという行為を通して視聴者は尻の弾力や柔らかさをよりイメージしやすくなります。
(こうした行為を伴わせないことが制作陣の“かわいい”に対する美学なのかも知れません…)

尻叩きが映える!①

そこで私が提案したい行為が尻叩きです。尻叩きを付加することでより魅せるための演出幅が広がり、画面的にもストーリー的にも映える演出が可能となります。
 
例えば『TARITARI』では沖田親子による尻叩き(所謂スパンキングといった躾や罰、セクシャルな行為というよりは励ましや勇気付けといった側面が強い)が印象的に描かれていました。
作中における沖田紗羽の立場は、不器用で空回りすることが多い宮本来夏を激励し見守る存在ですが、こうした姉妹的関係は絶対ではなく、物語は当人たちの心情や成長次第によって良くも悪くもままならないものとして進行していきます。
 
『TARITARI』の面白みのひとつが、こうした関係性を固定化せず流動的に描くことで物語全体に躍動感を与えていることだと思います。これを端的に表しているのが作中2話で紗羽に尻を叩かれ発破をかけられていた来夏(画像左)が、4話ではそれを回避して手を合わせる余裕ぶりを見せてくれる場面(右)です。このように非定型パターンとして飽きさせないことは物語だけでなく、各キャラの多層的な魅力にも繋がっていました。
 
 

尻叩きが映える!②

尻に焦点を当てたビビパンにおいてもこうした尻叩きを踏襲・発展させるとより魅力的な尻描写になったのではないでしょうか?
作中におけるあかねは陽気で周囲に元気を振り撒く存在なので、朝の挨拶やみんなを勇気付ける際に尻を叩いたり、落ち込んだ場面では逆に親友から尻を叩かれ喝を入れられるシーンを描けば王道な青春物として外れることなくフェティッシュも活かされます。
 
尻叩きの動機付けは『TARITARI』の紗羽が尻を叩く母親の影響を受けていたり将来騎手を目指していたように、一色健次郎をエロ爺にしたり、小さい頃から母親に尻を叩かれて育ったという描写を差し込めば自然と溶け込むことでしょう。
 
また、作中においてキーアイテムとなっているトマトはあかねのイメージカラーであると同時に、熟した,柔肌,産毛あたりと尻を掛けていると思うので、尻叩きを取り入れても腫れた尻とトマトが同系色であることから整合性が取れるのでばっちりです。ばっちりです。
 
このように、尻とはただ排泄やフェティッシュのためだけにあるのではなく、人の手を介した感情移入の受容体でもあります。キャラの気持ちを言葉とともに尻を媒体として伝え合う。そんな素敵なアニメがあったら少なくても私は画面に釘付けになること間違いなしです。
ちなみに受容体としての実例は福岡県春日市の「嫁ごの尻たたき」がありますが、もっと別の側面として奈良県飛鳥坐神社の「御田植祭」のように尻とケガレの概念を結びつけても楽しそうです。
 
いずれにせよ尺の都合上取捨選択をする必要はありますが、こうした工夫を施すことによってビビパンは我々にとって「尻の本質」に迫る作品となりえ、A-1 Picturesの作画陣と相まってより魅力的な尻描写が活きる作品となったのではないでしょうか。

おまけ① 叩く強さと部位および角度

アニメにおいて尻叩きを描写する際は、各キャラの心情や置かれた状況を反映させた尻の叩き方を表現できるとより訴求力が増すと思います。
ポイントは尻と手以外にも表情や体勢などが挙げられますが、今回は尻を叩く手に焦点を絞ってみます。
 
左:父親に叱られる星奈(『僕は友達が少ないNEXT』 第1話)
右:バルクホルンの尻に着いたネウロイを叩くエーリカ(『ストライク・ウィッチーズ2』 第7話)

 
尻叩きで心情を模すには叩く強弱が大きな要素となります。以下に尻を強く叩く際の描写ポイントを列挙してみたので、強く叩く描写ではこれに沿うように、弱く叩く際は以下の逆の描写にすればうまく調整できると思います。みなさんもぜひご自身の手で試してみてください。

  1. 手を丸め込まずに指を張り、指と指の間隔を空けすぎない。
  2. 左右どちらかに狙いを定め、腰を入れ前屈ぎみの姿勢をとる。
  3. 振りかぶって溜めをつくり、上,横方向から腕を振り下ろす。
  4. 腕と同様に手首の角度も上,横が望ましい(下向きでは力が伝わりにくい)。
  5. 腕が伸びきる直前、適度に間接が曲がった状態で手の平と尻をほぼ直角に当てる。
  6. 手の平よりも指の付け根(指骨と中手骨の間)で的確に尻を捕える。

いかがでしょうか。以上を勘案すると、上記画像左は手心を加えた弱めの尻叩き、右は情け容赦なく強めに叩いている描写であると判断できます。

おまけ② 尻叩きの効果音

尻叩きで検討すべきもうひとつの要素に、以下のような効果音の使い分けが挙げられます。

“ジャン・ド・ヴィリオ(この種の作品を書いた複数の人の偽名)作『鞭の小話』(1905年)の「美しき両性具有者」の章では、少女の尻を叩いたときの音が区別されている。
「パン! パン! パン! パン!(……)パン! パン! ピシャ! ピシャ!」(パン! パン! はいい場所に命中したとき。ピシャ! ピシャ! は周辺の密かな部分に垂直に当たったとき)
パチン! という音もある。鞭の砕ける音……映画がまだトーキーでなかった時代だ。”  p.87~88

図説 尻叩きの文化史

図説 尻叩きの文化史

紹介記事:http://honz.jp/9430

尻叩きの効果音は―『聖痕のクェイサー』における乳首のように―キャラ別とまではいかなくとも、叩く強さや部位、角度やそのときどきの感情によって変化させると味が出ます。
 
これらは制作の中枢を担うおじさん達の「どこをどう叩けば理想の音が出るのか、自分の尻を叩いて検証しました(笑)」なんて聞きたくもない制作秘話が誕生しそうなので諸刃の剣ではありますが、「好きなキャラの尻叩き音を聴き分けるためにオーディオ買った」なんて猛者が誕生するような作品を密かに心待ちにしています。

まとめ

“人間の本性を公正無私の目で眺めてみると、野獣にとっては咬むことが自然であり、有角獣にとっては突くことが自然であるのと同様に、人間にとっては叩くことが自然だということが知られる。人間はつまり叩く動物なのだ。” p.142

幸福について―人生論 (新潮文庫)

幸福について―人生論 (新潮文庫)

このように、かのショーペンハウアーもビビパンに尻叩きを取り入れるべきであったと主張しています!
フェティッシュとしての尻の素晴らしさは各人の胸の内に委ねるとして、ビビパンに冴えた尻叩きがあれば自分にとって今以上に好きになれるアニメになっていたんじゃなイカな~と思いました。
 
詰まるところ「最終話で罰としてあかねちゃんにお尻を叩かれながら後悔と羞恥と安心感から泣きじゃくる黒騎さんが観たい」――それだけが私の望みです。